スノーボードのビンディングには、「FLUX(フラックス)」や「UNION(ユニオン)」など様々なメーカーがあり、メーカー毎にモデルも多いため、どれを選んだら良いか悩みますよね。
数あるビンディングの中で、「どのビンディングがグラトリに向いているの…?」と疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、グラトリが大好きなスノーボーダー(スノーボード歴14年目)が筆者となり、グラトリにおけるビンディングの選び方と、おすすめなビンディングを9つに厳選してご紹介します。
ご紹介するビンディングは、メンズの方でもレディースの方でも使えるものになっていますので、ご安心ください。
- これからグラトリに挑戦したい方
- グラトリ向きなビンディングを探している方
- ビンディングの選び方を知りたい方
- ビンディングを買い換えたいと思っている方
- グラトリの技術を向上させたい方
このような方は、ぜひ参考にしてください。
▼すぐにおすすめビンディングを知りたい方は以下をタップ
>> コスパ重視の初心者向け!価格が安いおすすめビンディング4選
ビンディングの各部分の名称と役割

グラトリ向きのビンディングを選ぶ際には、まずビンディングの各名称と役割を覚えておくと良いです。
各パーツの設計によって、グラトリのしやすさに影響が出てくるからです。ここでは、以下の名称と役割を簡単に説明しますので、ビンディング選びの参考にしてください。
ベースプレート

ベースプレートは、板に取り付ける部分の枠組み全体を指します。中央のブーツを載せる部分は「フットベッド」と呼ばれます。
フットベッドは、板とビンディングが接触する箇所であり、足の動きを板に伝える役割を果たします。そのため、グラトリを行う際には非常に重要な部分です。
ビンディングの中には、フットベッドにカント(内側よりも外側が厚くなっている構造)が組み込まれているものもあります。これにより、足の外側に力を伝達しやすくなります。このようなモデルは、板に力を効果的に伝えることができ、グラトリのしやすさを向上させます。
ハイバック

ハイバックは足首からふくらはぎにかけてかかる部分で、エッジングやターンなどの操作性に影響します。
ハイバックはフレックス(硬さ)によって、向いてるスタイルが異なります。フレックスが硬いほど高速ランやカービングに向き、柔らかいほど低速ランやプレス系トリックに向きます。
グラトリでは、フレックスが柔らかく横方向にもねじれやすいモデルを選ぶようにしましょう。理由は、いずれも足首の操作が行いやすくなり、グラトリを行うときの板の操作性が向上するためです。この記事でご紹介するビンディングは、すべてハイバックが柔らかめで操作性が高いものになっているため安心してください。
ストラップ

ストラップはブーツを固定する部分で、足首(アンクル)とつま先(トゥ)にあります。足首側を「アンクルストラップ」、つま先側を「トゥストラップ」と呼びます。
ストラップはブーツとビンディングのフィット感や、足首の動きの柔軟さに影響するため、グラトリを行うときには重視するポイントになります。
ストラップには幅広いものや細いもの、軽量化させるために穴が開いているものなどさまざまな種類があります。
ラチェット

ラチェットはストラップを締める部分です。ラチェットはストラップの締め具合や外しやすさに影響しますが、グラトリを行うときの動きには影響は無いため、あまり気にする部位ではありません。
値段が安いものだとラチェットの滑りが悪く、使いにくいことが多々ありますが、この記事でご紹介するビンディングはどれも使いやすいものを選んでいます。
グラトリ向きビンディングの選び方

ビンディングの各名称と役割について説明しましたが、ここではグラトリ向きビンディングを選ぶ際に、注意するべき4つのポイントをご紹介します。
1.軽量なものを選ぶ
ビンディングは軽量なほどグラトリに向いているため、できるだけ軽量なビンディングを選ぶようにしましょう。
軽量なビンディングを使用すると、スノーボード全体の重量が軽くなり、動かしやすくなります。そのため、オーリーやノーリーなどの弾き系のトリックや回転などの技を行いやすくなります。
また、軽量なビンディングであれば疲労を軽減することができるため、疲れにくいというメリットもあります。
2.ハイバックはフレックス(硬さ)が柔らかいものを選ぶ
グラトリでは、足元の自由度が高い方が基本的に操作性が向上します。そのため、柔らかいハイバックがおすすめです。
柔らかいハイバックを使用すると、重心や板を前後左右に動かしやすくなります。特にプレス系のトリックは非常にやりやすくなるでしょう。
なお、硬いハイバックは高速ランやカービングに向いていますが、グラトリには不向きですので注意が必要です。
3.ストラップはフィット感が高いものを選ぶ
ストラップを締めた際にフィット感が高いビンディングがグラトリにおすすめです。ただし、これは試着してみないと判断が難しい部分です。あまりにも安価なビンディングはフィット感が悪い傾向があるため、避けることが無難です。
フィット感の高いビンディングを使用すると、足の動きに対してビンディングが正確に反応し、グラトリを含む滑走全般において重要な役割を果たします。
4.ブーツに合うサイズで選ぶ
ビンディングはブーツに合ったサイズで選ぶことが大切です。ビンディングはS、M、Lなどのサイズ表記がありますが、メーカーやモデルによって対応するブーツサイズが異なります。
以下は一例ですが、FLUXのビンディングでは以下のサイズ表記になっています。

各メーカーやモデル毎に若干サイズが異なるため、購入前にはしっかりとメーカーHPや商品ページをチェックするようにしましょう。
メーカーによって異なりますが、おおよそメンズの方はM~XL、レディースの方はXS~Mが該当します。ご自身のブーツサイズを確認して選ぶようにしましょう。
コスパ重視の初心者向け!価格が安いおすすめビンディング4選
まず、初心者の方におすすめのコストパフォーマンスの高いビンディングをご紹介します。以下の4つに厳選しました。
- グラトリ初心者、もしくはこれからグラトリに挑戦したい!
- 性能よりもコストパフォーマンスを重視したい方
- ビンディングにあまり予算をかけたくない方
- ビンディングを初めて買うから、おすすめを知りたい
ここでご紹介するモデルは、定価が2万円台と比較的安価な範囲に位置しています(※ただし、23-24シーズンには物価高騰の影響で一部値上げされる可能性があります)。
経験則にはなりますが、あくまで定価での価格となり楽天市場やスノーボードショップでのセール販売などを利用すると、2万円前後で購入することも可能です。
【FLUX】PR

定価 | 27,500円(税込) |
サイズ | XS・SM・S・M・L |
カラー | WHITE・BLACK・RED・BLUE |
FLUX(フラックス)の「PR」は、FLUXのビンディングの中で最も安価なモデルですが、初心者にとっては最適なモデルだと思います。エントリーモデルとはいえ、FLUXの機能が詰まっており、コストパフォーマンスが非常に高いです。
ハイバックとストラップには穴が開いており軽量化されています。これによりグラトリを行いやすくなります。
また、ハイバックのフレックスは、柔らかすぎず、硬すぎないのがおすすめポイント!過度に柔らかいハイバックは初心者にとっては向かないことから、ほど良い硬さに設定されています。
【SALOMON】RHYTHM

定価 | オープン価格 |
サイズ | S・M・L |
カラー | WHITE・BLACK・OIL GREEN・DUSK PURPLE・LILAC ASH |
SALOMON(サロモン)の「RHYTHM」は、SALOMONが展開しているビンディングの中でも初心者向けモデルです。オープン価格になっており定価は不明ですが、2万円台で購入できるため、初めてスノーボードを始める方でも手ごろな価格帯だと思います。
スノーボード2点/3点セットによく選ばれるビンディングですが、性能が低いわけではありません。ハイバックがねじれやすく、操作性が良いのが特徴的です。また、フルパッドになっているため、耐衝撃性にも優れています。
さらに、フットベッドが内側よりも外側が厚く高さがあるため、板に足の力が伝わりやすくグラトリの操作性を高めることができます。
【DRAKE】KING

定価 | 30,800円(税込) |
サイズ | M・L・XL |
カラー | SAND・BLACK |
DRAKE(ドレイク)の「KING」は、DRAKEブランドのビンディングの中でも初心者向けのモデルです。お手頃な価格で手に入るので、初心者の方にも手軽に使えます。
これまでにご紹介した、FLUXの「PR」、SALOMONの「RHYTHM」と同じように、ハイバックがねじれやすく足首の可動域が広い特徴がありました。
グラトリライダーである瀧澤憲一さんもこのビンディングを愛用しているため、グラトリでの使いやすさは確かです。それにも関わらず、DRAKEブランドの中でも最も手頃な価格設定になっており、迷ったら絶対にこれを選んで間違いありません!
【UNION】FLITE PRO

定価 | 29,700円(税込) |
サイズ | S・M・L |
カラー | BLACK・WHITE・GREEN・BLUE・PURPLE |
UNION(ユニオン)の「FLITE PRO」は、UNIONブランドのビンディングの中でも初心者向けのモデルです。
おそらく今回ご紹介するビンディングの中でも最も軽量な部類に入り、スノーボードのコントロールがしやすい特徴があります。その軽さから、高速で滑走するカービングなどには向いていませんが、グラトリを主に行う場合にはFLITE PROはおすすめです!
また、ストラップも中央部分が柔らかく作られており、足首の曲げやすさがあります。これによってスノーボードの操作性が向上します。
中級者以上向け!性能重視なおすすめビンディング5選
ここまでは、初心者の方におすすめのコストパフォーマンスの高いビンディングを4つご紹介しました。次に、ビンディングの性能を重視した中級者以上の方におすすめの5つのビンディングをご紹介します。
- 今よりも上位レベルのビンディングが欲しい!
- 長く使いたいため、性能重視でビンディングを選びたい
- グラトリのレベルをさらに上げていきたい!
- グラトリとカービングの両立させたモデルを探している
ここでご紹介するモデルは、定価が3~6万円台と比較的高価な範囲に位置しています。
経験則にはなりますが、あくまで定価での価格となり楽天市場やスノーボードショップでのセール販売などを利用することで、1万円ほど安く購入することも可能です。
【FLUX】EM

定価 | 30,800円(税込) |
サイズ | XS・S・M・L |
カラー | BLACK・WHITE・GREEN・PINK・PURPLE |
FLUX(フラックス)の「EM」は21-22シーズンに発売された新しいモデルです。「PR」からのステップアップモデルとしてリリースされました。エントリーモデルである「PR」の定価は27,500円(税込)ですが、「EM」は少し高めの定価30,800円(税込)に設定されています。
「EM」は、ビンディングに付いている穴の形状が大きくなり、ハイバックが柔らかくなり、さらに軽量化されています。
初心者にとっては「EM」はビンディングが柔らかすぎるため、グラトリ初心者の場合は「PR」を選ぶと良いでしょう。しかし、グラトリ初心者でもレベルの高いトリックにステップアップしたい方や、グラトリをメインにする方は、最初から「EM」を購入しても良いでしょう。
【DRAKE】RELOAD

定価 | 41,800円(税込) |
サイズ | S/M・M/L・L/XL |
カラー | BLACK・GREEN FOREST・ICE GRAY |
DRAKE(ドレイク)の「RELOAD」は、グラトリとカービングの両方を楽しみたい方におすすめです。このモデルは、足首のホールド感と自由度をバランスよく兼ね備えています。定価が41,800円(税込)とやや高価ですが、グラトリとカービングの両方を1つで楽しむことができるため、むしろコストパフォーマンスが高いとも言えるでしょう。
グラトリをメインに遊びたいのであれば「KING」を、一方でグラトリだけでなくカービングも楽しみたい方には「RELOAD」がおすすめです。
また、ストラップなどの細部にもこだわっています。ラチェットを外すと自動的に大きく開くように設計されており、足の脱着がスムーズに行えるのも嬉しいポイントです。
【UNION】STRATA

定価 | 41,800円(税込) |
サイズ | S・M・L |
カラー | BLACK・WHITE・ROYAL BLUE・RED |
UNION(ユニオン)の「STRATA」は、フリースタイル系のモデルで非常に人気があります。ハイバックはミドルフレックスで、柔らかすぎず硬すぎない設計になっています。そのため、反応性と操作性を両立しています。
このモデルの特徴はミニディスクの採用です。ミニディスクは通常のノーマルディスクよりも小さいサイズで、ボードとの接触面積が少なくなります。

ミニディスクはノーマルディスクよりも設置面(支点)が小さくなるため、より柔軟な動きが可能になります。特に柔らかいフレックスのボードとの相性が良く、グラトリやジブを楽しむライダーから高い支持を得ています。
【UNION】ULTRA

定価 | 47,300円(税込) |
サイズ | S・M・L |
カラー | BLACK・ARMY GREEN・HOT RED・BONE WHITE・DEEP BLUE |
UNION(ユニオン)の「ULTRA」は、UNIONブランドの中でも比較的ハイエンドのモデルです。「STRATA」よりもさらに軽量化されており、クッション素材を強化することでフィット感を上げています。簡単にいうと、STRATAをアップグレードしたようなモデルがULTRAになります。
ULTRAは、STRATAと同じくミニディスクを採用しているため、足元の柔軟な動きが特徴的です。そのため柔らかいフレックスのボードと相性が良く、グラトリやジブを楽しむスノーボードライダーから高い評価を得ています。
ミニディスクを使ってみたいという方は、ぜひULTRAかSTRATAを選んでみると良いでしょう。
【BURTON】GENESIS

定価 | 66,000円(税込) |
サイズ | S・M・L |
カラー | BLACK・ARMY GREEN・HOT RED・BONE WHITE・DEEP BLUE |
BURTON(バートン)の「GENESIS」は、BURTONのビンディングの中で最高モデルになっており、世界的にも人気のモデルです。
GENESISの1番の特徴は、ハイバックが2重構造になっており、内側にハンモックが配置されていることです。これによって、脚への密着度が高まります。
GENESISはフリースタイルでの遊びを重視して設計されており、グラトリからカービングまで、さまざまなスタイルで遊ぶことができます。また、ハイバックのフレックスはやや柔らかめに設計されており、足首の自由度があるためグラトリにも適しています。
グラトリにおけるビンディングのセッティングについて

さいごに、グラトリにおけるビンディングのセッティングについて解説します。
ビンディングのセッティングは、グラトリのしやすさに直結するため非常に重要です。ここでは、グラトリに適したビンディングの角度とスタンス位置について紹介します。
ビンディングの角度はダックスタンスがおすすめ!
グラトリを行う場合は、ダックスタンス(前足と後足が外向きの角度に調整されるスタイル)が一般的です。レギュラースタンスであれば、左足の角度は「-3から-12」、右足の角度は「3から12」といった左右対称の設定が多いです。
グラトリでは、180度回転や540度回転など、着地時に通常のスタンスとは逆の向きで着地する機会が多くなります。左右対称の角度設定の方が、トリックを安定して行いやすいでしょう。
ただし、これは一般的な設定であり、個人の好みや体格によって微調整する必要があります。自分に最適な角度を見つけるために、いくつかの角度を試してみて試行錯誤することをおすすめします。
ビンディングのスタンス位置は肩幅〜少し広めがおすすめ!
グラトリでは、スタンス幅を肩幅程度、もしくはそれより少しだけ広めにするのが一般的です。
基本的に、スタンス幅が広い方が、グラトリを安定して行うことができます。電車に乗っているときを想像すると分かりやすいですが、足の幅が広いほど安定性が増すのと同じ理由です。
なお、幅が狭すぎると板が硬く感じたり、グラトリがやりにくくなることが多いです。
しかしながら、ビンディングの角度と同様に、これも個人の好みや体格によって異なる要素です。自分に最適なスタンス位置を見つけるために、スタンス幅を調整しながら試行錯誤してみましょう。